積立保険の見直しはどう進める?解約の前に確かめたい5つの点
この記事でわかること
- 積立保険の見直しは、まず解約返戻金の額と、保障を続ける必要があるかを確かめる
- 保険料の負担を減らす方法は解約だけでなく、減額・払済保険・延長保険もある
- 受け取るお金には税金がかかる場合があるため、契約先や中立的な相談先で確かめる
積立保険を見直すときは、解約を決める前に「いま解約するといくら戻るか」と「その保障がまだ必要か」を確かめるのが基本です。保険料の負担を軽くする方法は、解約のほかにもあります。この記事では、確かめたい点と手順を、公的な資料をもとに整理します。
積立保険とはどんな保険?
積立保険とは、保障に加えて、解約したときや満期のときにお金が戻る「貯蓄性のある保険」をまとめた呼び方です。終身保険、養老保険、個人年金保険、学資保険などがこれにあたります。
払い込んだ保険料は、預貯金とは扱いが違います。保険料の一部は、保険金の支払いや保険会社の運営の経費に充てられるからです。そのため、解約して戻るお金(解約返戻金)は、通常は払い込んだ保険料の合計より少なくなります(生命保険文化センター)。
保険全体の役割は生命保険の役割とは?で説明しています。この記事では、貯蓄性のある保険の見直しに絞ります。
積立保険を見直すタイミングは?
見直しの目安は、家族や家計の状況が変わったときです。たとえば次のようなときです。
- 結婚、出産、子どもの独立など、家族の形が変わったとき
- 収入が変わり、保険料の負担が重く感じるとき
- 住宅の購入などで、必要な保障の額が変わったとき
- 満期や、保険料の払込みが終わる時期が近づいたとき
夫婦で見直す場合は、遺族年金など公的な保障から考える手順があります。保険の見直しを夫婦でするには?もあわせて確かめてください。
見直す前に確かめたい5つの点は?
見直す前には、保険証券や契約内容のお知らせで、次の5つを確かめます。
| 確かめる点 | 見る場所の例 | 理由 |
|---|---|---|
| ① いま解約すると戻る額 | 保険証券、契約先への照会 | 払った額より少ないことが多い |
| ② 保障の目的と額 | 保険証券 | 死亡や医療の保障が、まだ必要かを考える |
| ③ 予定利率や配当のしくみ | 約款、契約内容のお知らせ | 古い契約と新しい契約で条件が違うことがある |
| ④ 特約の内容 | 保険証券 | 変更すると、特約がなくなる場合がある |
| ⑤ 保険料の払込み期間 | 保険証券 | 払込みが終わるまでの残りの額がわかる |
解約返戻金の額は、保険の種類、契約したときの年齢、経過した年数などで変わります。特に、契約してから短い期間で解約すると、解約返戻金はまったくないか、あってもごくわずかです(生命保険文化センター)。
満期金や配当金は、契約の途中で変わることがあります。配当は、予定していた率と実際の結果との差から出るもので、出ない場合もあります(金融庁)。契約したときの説明資料の金額が、そのまま受け取れるとは限りません。
外貨で保険料を払う保険は、為替の動きで、円に換えた受取額が払った額を下回ることがあります。途中で解約すると、解約控除が差し引かれる場合もあります(国民生活センター、2020年2月)。
解約しないで保険料を減らす方法はある?
あります。解約せずに保険料の負担を減らす方法として、主に次の4つがあります(生命保険文化センター)。
| 方法 | しくみ | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 保険金の減額 | 保障の額を減らし、以後の保険料を軽くする | 減らした部分は解約の扱いになる |
| 特約の解約 | 付けている特約だけを解約する | ほかの特約も一緒になくなる場合がある |
| 払済保険への変更 | 保険料の払込みをやめ、解約返戻金をもとに保障の額が少ない保険に変える | 保険期間は同じ。特約は原則なくなる |
| 延長(定期)保険への変更 | 保険料の払込みをやめ、解約返戻金をもとに死亡保障だけの定期保険に変える | 保障の額は同じだが、保険期間が短くなることがある |
払済保険と延長保険は、解約返戻金が少ないと変更できないことがあります。保険の種類によっては、使えない場合もあります。どの方法が使えるかは、契約によって違うため、契約先に確かめます。
急にお金が必要なときは、配当金の引き出しや、契約者貸付を使える場合もあります。契約者貸付は借入れなので、利息がかかる点に注意します。
解約や乗り換えで気をつけることは?
解約は、最後の手段と考えるのが基本です。生命保険文化センターは、解約の注意点として次を挙げています。
- 一度解約した保険は、元に戻せない
- もう一度入るときは、年齢が上がった分、保険料が高くなることがある
- 健康状態によっては、新しく契約できないことがある
- 解約には所定の書類が必要で、保険料の払込みをやめるだけでは解約にならない
別の保険に乗り換えるときは、新しい契約が成立してから、いまの契約を解約する順番にします。先に解約すると、新しい契約に入れなかったときに保障がなくなるためです。新しく契約するときは、健康状態などの告知を正確にします。
契約したあとでも、申し込みの日か、契約内容を書いた書面を受け取った日のどちらか遅い日から8日以内なら、クーリング・オフ(申し込みの撤回)ができる場合があります(保険業法第309条)。例外もあるため、書面で条件を確かめます。
受け取るお金に税金はかかる?
解約返戻金や満期金を受け取ると、税金がかかる場合があります。国税庁によると、保険料を払った人と受け取る人で、かかる税金が変わります(2026年10月時点)。
| 保険料を払った人と受け取る人 | かかる税金 |
|---|---|
| 同じ人(一時金で受け取る) | 所得税(一時所得) |
| 同じ人(年金で受け取る) | 所得税(雑所得) |
| 違う人 | 贈与税 |
一時所得になる場合は、受け取った額から払い込んだ保険料を引き、さらに特別控除の最高50万円を引きます。課税されるのは、その残りの2分の1です。たとえば、払った保険料よりも戻った額が少なければ、一時所得の利益は出ません。
保険料を払っている間は、生命保険料控除を受けられる場合があります。控除の合計は、最高12万円です。令和8年分からは、23歳未満の扶養親族がいる人は、新しい契約(平成24年以後)の一般の生命保険料控除の上限が4万円から6万円になります(国税庁)。解約すると、その後は控除を受けられなくなる点も、あわせて確かめます。
迷ったときはどこに相談できる?
判断に迷うときは、立場の違う相談先を使えます。
- 契約の内容や、払済保険などの変更:契約先の保険会社
- 家計や保険の考え方:金融経済教育推進機構(J-FLEC)の相談
- 契約のトラブル:生命保険協会の生命保険相談所など
- 税金の扱い:税務署や税理士
J-FLECは、特定の商品を勧めない立場で相談に応じています。対面やオンラインの相談は、1回1時間までの無料体験があります(事前予約制、2026年10月時点)。電話相談は0120-55-1209で、平日10時〜17時に受け付けています(1回30分まで)。
まとめ:積立保険の見直しで押さえたい3つのこと
- まず、いま解約すると戻る額と、保障がまだ必要かを確かめる
- 保険料を減らす方法は、解約のほかに減額・払済保険・延長保険などもある
- 受け取るお金の税金や乗り換えの順番に注意し、迷うときは契約先や中立的な相談先に聞く
出典
- 公益財団法人 生命保険文化センター「解約」 (2026年10月時点)
- 公益財団法人 生命保険文化センター「保険料の負担軽減・払込の中止と契約の継続」 (2026年10月時点)
- 公益財団法人 生命保険文化センター「解約する場合の留意点は?」 (2026年10月時点)
- 金融庁「保険の契約にあたっての留意事項」 (2026年10月時点)
- 国民生活センター「外貨建て生命保険の相談が増加しています!」(2020年2月20日) (2026年10月時点)
- 国税庁 タックスアンサー No.1755「生命保険契約に基づく満期金や解約返戻金を受け取ったとき」 (2026年10月時点)
- 国税庁 タックスアンサー No.1140「生命保険料控除」 (2026年10月時点)
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「相談する」 (2026年10月時点)
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の勧誘や推奨を目的としたものではありません。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。