医療保険の入院日数の平均は?厚労省の統計と数え方を解説
この記事でわかること
- 令和5年患者調査では、病院の平均在院日数は29.3日、一般診療所は14.2日
- 病院では退院した人の約7割が14日以内で、長い入院が平均を押し上げている
- 医療保険の入院日数の数え方は契約ごとに違うため、約款で確かめる
入院日数の平均は、厚生労働省の令和5年患者調査で、病院が29.3日です。ただし、病院を退院した人の約7割は14日以内でした。医療保険の入院日数の数え方は契約ごとに違うので、約款で確かめることが大切です。
入院日数の平均は公的統計でどのくらい?
厚生労働省の「患者調査」は、病院や診療所の患者を調べる国の統計です。最新の令和5年調査は、令和6年12月に公表されました。令和5年9月に退院した人の入院日数をもとにしています。
退院した人の平均在院日数(入院していた日数の平均)は、次のとおりです。
- 病院:29.3日
- 一般診療所(入院用のベッドが19床以下か、ベッドのない医療機関):14.2日
- 全体:28.4日
ただし、平均だけを見ると実感とずれることがあります。病院を退院した人の入院期間の割合は、次のとおりです。
| 入院期間 | 割合(病院) |
|---|---|
| 0〜14日 | 68.4% |
| 15〜30日 | 15.5% |
| 1か月〜3か月 | 12.7% |
| 3か月〜6か月 | 2.2% |
| 6か月以上 | 1.3% |
14日以内の人が約7割を占めます。一方で、数か月以上の長い入院もあります。少数の長い入院が、平均を押し上げているといえます。
入院は短い期間が多い一方、長い入院が平均を押し上げます。
年齢や病気の種類で日数は変わる?
変わります。令和5年患者調査では、年齢が上がるほど平均在院日数が長くなります。病院と一般診療所をあわせた数字です。
- 0〜14歳:7.6日
- 15〜34歳:10.5日
- 35〜64歳:20.2日
- 65歳以上:35.5日
- 75歳以上:39.0日
病気の種類による違いも大きいです。主な病気の平均在院日数は、次のとおりです(令和5年患者調査、全体)。
| 病気の種類 | 平均在院日数 |
|---|---|
| 精神及び行動の障害 | 290.4日 |
| 脳血管疾患 | 68.9日 |
| 骨折 | 35.4日 |
| 糖尿病 | 31.8日 |
| 肺炎 | 26.0日 |
| 心疾患(高血圧性のものを除く) | 18.3日 |
| 悪性新生物(がん) | 14.4日 |
| 消化器系の疾患 | 10.3日 |
| 妊娠、分娩及び産じょく | 7.4日 |
同じ病気でも、年齢で日数は変わります。たとえば脳血管疾患は、35〜64歳で44.5日、65歳以上で75.5日です。がんは35〜64歳で10.7日、65歳以上で15.5日です。
統計はあくまで全体の平均です。自分や家族の入院がこの日数になるとは限りません。
医療保険の入院日数はどう数える?
民間の医療保険の入院給付金は、契約で決めた数え方で支払われます。数え方は保険会社や商品ごとに違います。金融庁も、似た商品でも会社によって内容が違うと注意を促しています。
約款(契約の細かな決まりを書いた書類)で確かめたい主な項目は、次のとおりです。
- 1回の入院で支払われる日数の上限
- 契約期間を通して支払われる日数の上限
- 同じ原因で退院後に再び入院したとき、1回の入院とみなすか
- 短い入院(日帰りなど)が対象になるか
- どんな施設や治療目的の入院が対象になるか
金融庁は、次のような相談例を紹介しています。120日まで保障されると思っていた人が、実際には60日分しか受け取れなかった例です。金融庁は、こうした個別の支払いのトラブルは、まず保険会社とよく話し合うよう勧めています。
約款の数え方を知らないと、受け取れる日数を誤解しやすくなります。口頭の説明だけでなく、約款やパンフレットで確かめることが大切です。古い契約では、新しい治療法が対象外のこともあります。その場合は、契約先の保険会社に確かめます。
入院日数の数え方は、約款やパンフレットで確かめます。
公的保障(高額療養費)とあわせてどう考える?
入院の費用を考えるときは、まず公的な保障を確かめます。金融庁も、公的保険を知ったうえで、必要に応じて民間の保険を考えるよう説明しています。
健康保険には高額療養費制度があります。1か月の医療費の自己負担に上限を設ける仕組みです。厚生労働省の例では、70歳未満で年収約370万〜510万円の人の場合です。医療費100万円でも、自己負担は約9.3万円です(令和8年8月から)。詳しくは高額療養費制度とは?で説明しています。
入院日数と関わる注意点は、次の3つです。
- 高額療養費は月ごとに計算するため、月をまたぐ入院は月ごとに上限がかかる
- 入院中の食事代は対象外で、一般の人は1食550円(令和8年6月から)
- 希望して入る個室などの差額ベッド代も対象外
たとえば30日入院して毎日3食とると、食事代は550円×90食で49,500円です。入院が長くなるほど、こうした対象外の費用も増えます。
貯蓄でどこまで対応できるかを先に確かめると、民間の保険に何を求めるかが見えます。家計の点検はお金の見直し方、保険の役割は生命保険の役割とは?で整理しています。
分からないときはどこに相談する?
契約の内容で分からないことは、まず契約先の保険会社に確かめます。そのうえで、立場の違う相談先も使えます。
- 契約内容の疑問やトラブル:契約先の保険会社。解決しないときは、業界団体の相談窓口(生命保険協会の生命保険相談所など)
- 公的な医療保険の手続き:加入している健康保険(保険者)
- 家計や保険の考え方:金融経済教育推進機構(J-FLEC)の無料相談
J-FLECは国の認可を受けた法人です。特定の商品の勧誘や推奨をしない立場で、保険や家計の相談に応じています(2026年10月時点)。金融庁は、個別の契約が正しいかどうかの判断はできないとしています。
まとめ:入院日数の平均で押さえたい3つのこと
- 令和5年患者調査では、病院の平均在院日数は29.3日、一般診療所は14.2日
- 約7割は14日以内で、年齢や病気の種類によって日数は大きく変わる
- 医療保険の日数の数え方は契約ごとに違うため、約款と公的保障をあわせて確かめる
出典
- 厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況」 (2026年10月時点)
- 厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況 退院患者の平均在院日数等」 (2026年10月時点)
- 金融庁「保険の契約にあたっての留意事項」 (2026年10月時点)
- 金融庁「公的保険について」(公的保険ポータル) (2026年10月時点)
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」 (2026年10月時点)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)よくあるご質問「高額療養費」 (2026年10月時点)
- 厚生労働省保険局長通知「食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額の一部を改正する告示について」(令和8年4月28日) (2026年10月時点)
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「相談する」 (2026年10月時点)
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の勧誘や推奨を目的としたものではありません。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。