親の資産を把握するには?元気なうちに確かめたい項目と話の切り出し方
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この記事でわかること
- 相続には3か月、10か月、3年といった期限があり、資産がわからないと判断が遅れやすい
- 確かめたいのは金額よりも、預貯金や不動産、保険、借入金が「どこにあるか」
- わからないまま相続になっても、所有不動産記録証明制度などの公的な制度で調べられる
親の資産は、元気なうちに「どこに何があるか」を確かめておくのが基本です。相続には期限のある手続きが多く、資産がわからないと判断が遅れやすいためです。確かめたいのは正確な金額より、口座や不動産、保険、借入金の有無です。この記事では、確かめたい項目と話の切り出し方、わからないときに使える公的な制度を紹介します。
親の資産はなぜ早めに把握する?
相続の手続きには、期限が決まっているものがあります。主な期限は次の3つです。
- 相続放棄:相続を知ったときから3か月以内に、家庭裁判所に申し出る(裁判所)
- 相続税の申告:亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内(国税庁、令和8年4月1日現在の法令)
- 相続登記:不動産の取得を知った日から3年以内に申請する(法務省)
相続放棄は、財産も借入金も一切引き継がない手続きです。借入金が多いかどうかは、資産の全体がわからないと判断できません。3か月は、口座や契約を一から探すには短い期間です。
元気なうちなら、親本人に聞いて確かめられます。本人の考えを聞けることも、早めに話す利点です。
親の資産は何を確かめればいい?
確かめたいのは、金額よりも「どこにあるか」です。項目の例は次のとおりです。
- 預貯金:取引している金融機関と支店
- 不動産:自宅以外の土地や建物、離れた土地の有無
- 有価証券:株式や投資信託を預けている証券会社
- 保険:加入している保険会社と、受取人
- 借入金と保証:ローンの残りや、保証人になっている契約
- ネット上の口座や契約:ネット銀行、ネット証券、毎月払っている定額サービス
自宅や預貯金の通帳だけでなく、保険の書類やスマートフォンの中の契約も確かめる項目です。
ネット上の口座は通帳がないため、家族が気づきにくい資産です。どの会社を使っているかだけでも、メモに残してもらいます。暗証番号やパスワードは、メモに書かないように伝えます。
あわせて、通帳や保険証券、権利証などを置いている場所も聞いておきます。相続税がかかるかどうかの目安の出し方は、相続対策の方法とは?で説明しています。
どう切り出して話し合う?
お金の話は、いきなり金額から聞くと身構えられがちです。次のような切り出し方なら、話を始めやすくなります。
- 自分の話から始める:自分の保険や貯金を見直した話をきっかけにする
- 困りごととして聞く:「もしものとき、どこに連絡すればいい?」と聞く
- 希望を聞く:住まいや介護、財産の分け方について、親の考えを先に聞く
お茶を飲みながら、ノートに書き留める程度の気軽な話し合いから始められます。
1回ですべて聞こうとせず、何回かに分けて話します。きょうだいがいる場合は、聞いた内容を全員で共有します。一部の家族だけが知っている状態は、後で誤解のもとになります。
親が自分で書き留める方法もあります。終活の進め方は終活は何から始める?で紹介しています。自分の家計を見直すときは、お金の見直し方も参考になります。
わからないまま相続になったらどうする?
資産がわからないまま相続になっても、公的な制度を使って調べられます。
- 不動産:法務局の「所有不動産記録証明制度」で、亡くなった人の名義の不動産を一覧にできる(法務省)
- 戸籍:法務局の「法定相続情報証明制度」で、相続関係の一覧図の写しを無料で受け取れる(法務局)
- 相続税:国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」で、申告が要るかの目安を確かめられる
所有不動産記録証明は、手数料が書面の請求で検索条件1件につき1通1,600円です。登記の氏名や住所が検索条件と違うと、一覧に載らないことがあります。毎年届く固定資産税の課税明細書も、手がかりになります。
法定相続情報一覧図の写しは、預金の払い戻しや相続税の申告などで、戸籍の束の代わりに使えます(法務局)。金融機関ごとに戸籍をそろえる手間を減らせます。
3か月以内に相続放棄を決められないときは、家庭裁判所に期間の延長を申し立てられます(裁判所)。遺産の分け方は、早めに話し合うよう法務省も呼びかけています。分けないままだと遺産は相続人の共有になり、次の相続で関係が複雑になるためです。
借入金の調べ方や相続放棄で迷うときは、弁護士や司法書士に相談しましょう。相続税がかかりそうなときは、税理士や税務署で確かめるのが安心です。
まとめ:親の資産を把握するときに押さえたい3つのこと
- 相続には3か月、10か月、3年といった期限があり、元気なうちの確認が役立つ
- 確かめたいのは金額よりも、預貯金や不動産、保険、借入金が「どこにあるか」
- わからないまま相続になっても、所有不動産記録証明制度などの公的な制度で調べられる
出典
- 裁判所「相続の放棄の申述」 (2026年10月時点)
- 国税庁 タックスアンサー No.4205「相続税の申告と納税」(令和8年4月1日現在法令等) (2026年10月時点)
- 国税庁 タックスアンサー No.4102「相続税がかかる場合」(令和8年4月1日現在法令等) (2026年10月時点)
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」(令和7年3月27日現在) (2026年10月時点)
- 法務省「所有不動産記録証明制度について」 (2026年10月時点)
- 法務局「法定相続情報証明制度について」 (2026年10月時点)
- 法務省「不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~」(令和8年4月10日) (2026年10月時点)
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