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法人の余剰資金の運用とは?手元に残す額の決め方とリスクを解説

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この記事でわかること

  1. 余剰資金は、支払い・納税・予備の資金を先に分けたあとに残るお金
  2. 安全性・収益性・流動性の3つがすべて高い金融商品はない(金融庁)
  3. 法人の運用益は、ほかの収益と合わせて法人税の所得の計算に入る

法人の余剰資金は、当面の支払いや納税に使う予定のないお金です。運用を考える前に、まず手元に残す額を決めることが大切です。運用には元本割れや、すぐに現金化できないリスクがあるためです。この記事では、手元に残す額の決め方と、運用のリスク、運用益の会計と税金を順に説明します。

法人の余剰資金とは何を指す?

余剰資金は、口座の残高そのものではありません。残高から、近いうちに出ていくお金を引いたあとに残る分です。引いておきたいお金は、次のようなものです。

  • 毎月の支払い:仕入代金、給与、家賃などの固定費
  • 納税の資金:法人税や消費税などの納付に使うお金
  • 借入金の返済:決まった日に返す元金と利息
  • 予定している支出:設備の買い替えや、店舗の修繕など

これらを引いても残るお金が、運用を考えられる余剰資金です。

大きさの違う3つの瓶に小石が入り、横に会社の建物がある図 会社のお金は、使う時期ごとに分けて考えると整理しやすくなります。

手元に残すお金はどう決める?

手元に残す額は、会社ごとに決めます。売上の入る時期や、支払いの時期が会社によって違うためです。決めるときは、次の順で進めると考えやすくなります。

  1. 月ごとの出ていくお金を書き出す:固定費と返済額の1か月分を出します。
  2. 何か月分を残すかを決める:売上が落ちた月でも払えるかを基準にします。
  3. 年に一度出ていくお金を足す:納税や賞与、保険料などを加えます。
  4. 残りを「使う予定のないお金」として分ける

何か月分を残すかに、決まった答えはありません。売上の波が大きい業種ほど、多めに残すと安心です。決めた額は、決算のたびに見直しましょう。

預金にも、金融機関が破綻したときの保護には上限があります。利息の付く預金は、1金融機関ごとに元本1,000万円とその利息等までです。当座預金など利息の付かない決済用預金は、全額が保護されます(金融庁)。

運用するとどんなリスクがある?

運用には、値下がりで元本割れするリスクがあります。金融庁は、金融商品を安全性・収益性・流動性の3つで比べています。そして、3つとも優れた金融商品はないとしています。

天びんの片方に傘、もう片方に鉢植えの若木がのった図 安全性・収益性・流動性のどれを重視するかで、向く商品が変わります。

法人が運用するときに考えたいリスクは、次の3つです。

  • 価格のリスク:株式や投資信託は、値下がりすることがあります。
  • 流動性のリスク:急にお金が必要でも、すぐ売れない商品があります。
  • 時期のリスク:必要なときに値下がりしていると、損を出して売ることになります。

値動きのある資産は、時期や種類を分けて持つとリスクを抑えやすくなります。考え方は、長期・積立・分散の考え方で紹介しています。金利が株価に与える影響は、株式と金利の関係も参考になります。

運用の方針は、社内で文書にしておくと安心です。運用に回す上限額や、損が出たときに見直す基準を決めておきます。

運用益の会計と税金はどうなる?

運用で得た利息や配当金は、損益計算書の営業外収益に入ります。財務諸表等規則には、受取利息、受取配当金、有価証券売却益が例として並んでいます。営業外収益のしくみは、営業外収益とは?で説明しています。

税金の面では、運用益もほかの収益と合わせて法人の所得の計算に入ります。法人税法では、所得は「益金の額から損金の額を引いた金額」と定められています。個人が株式を売ったときの申告分離課税とは、しくみが違います(国税庁)。

有価証券を初めて取得した会社には、届出の手続きもあります。「有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書」です。提出の期限は、取得した事業年度の確定申告書の提出期限までです(国税庁)。

会計処理や税金の扱いは、保有の目的や商品によって変わります。運用を始める前に、顧問の税理士に確かめると安心です。

まとめ:法人の余剰資金の運用で押さえたい3つのこと

  • 運用の前に、支払い・納税・予備の資金を分けて、手元に残す額を決める
  • 安全性・収益性・流動性の3つがすべて高い金融商品はなく、元本割れもある
  • 運用益は営業外収益に入り、ほかの収益と合わせて法人税の所得に含まれる

出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の勧誘や推奨を目的としたものではありません。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。