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不動産を相続したときの税金は?評価額の出し方と相続税の計算方法

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この記事でわかること

  1. 不動産の相続では、主に相続税と登録免許税がかかり、不動産取得税はかからない
  2. 土地は路線価か倍率、建物は固定資産税評価額で評価額を出す
  3. 小規模宅地等の特例で評価額が下がることがあり、使うには申告が必要

不動産を相続すると、主に相続税と登録免許税がかかります。相続税は、不動産の「評価額」をもとに計算します。土地は路線価か倍率、建物は固定資産税評価額を使って評価額を出します。

不動産を相続するとどんな税金がかかる?

不動産を相続したときにかかる主な税金は、相続税と登録免許税です。不動産取得税は、相続で取得した場合はかかりません。

税金 かかるとき ポイント
相続税 遺産の合計が基礎控除を超えたとき 不動産は評価額で遺産に含める
登録免許税 名義変更(相続登記)をするとき 固定資産課税台帳の価格の1,000分の4
不動産取得税 相続ではかからない 生前贈与や、相続人以外への特定遺贈(財産を指定した遺贈)ではかかることがある

相続税は、遺産の合計が基礎控除を超えたときにだけかかります。基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です(国税庁、令和8年4月1日現在の法令)。基礎控除の確かめ方は、相続対策の方法の記事で説明しています。

登録免許税は、相続登記のときに納める税金です。相続登記の期限や、自分で申請する手順は、相続登記を自分でする方法の記事にまとめています。

土地の評価額はどう出す?

土地の評価額は、「路線価方式」か「倍率方式」で出します。どちらを使うかは、土地のある場所で決まります(国税庁、令和8年4月1日現在の法令)。

方式 使う地域 計算の考え方
路線価方式 路線価が決められている地域(主に市街地) 路線価×土地の形などによる補正率×面積
倍率方式 路線価が決められていない地域 固定資産税評価額×国税庁が決めた倍率

路線価は、道路に面した土地1㎡あたりの価額です。千円単位で、国税庁の「路線価図・評価倍率表」で調べられます。2026年中の相続では、令和8年分の路線価を使います。

固定資産税評価額は、毎年届く固定資産税の通知書で確かめられます。市区町村の役場(東京23区は都税事務所)でも確かめられます。

路線価方式の計算を、仮の数字で見てみます。実際の土地では、奥行きや形に合わせた補正があります。

  • 路線価:200千円(1㎡あたり20万円。仮の数字)
  • 補正率:1.00(形の整った土地と仮定)
  • 面積:150㎡
  • 評価額:20万円×1.00×150㎡=3,000万円

土地は、登記の単位である「筆」ではなく、使い方の単位で評価します。たとえば、2筆の土地に1軒の家が建っていれば、合わせて1つの土地として評価します(国税庁)。

建物やマンションの評価額はどう出す?

建物の評価額は、固定資産税評価額に1.0をかけた額です。つまり、固定資産税評価額がそのまま評価額になります(国税庁、令和8年4月1日現在の法令)。

マンションは、建物の部分と土地(敷地)の部分を分けて評価します。

  • 建物の部分:その部屋の固定資産税評価額×1.0
  • 土地の部分:マンションの敷地全体の評価額×敷地権の割合

国税庁の例では、敷地全体の評価額が17億5,000万円です。敷地権の割合が1,050,000分の6,300なので、土地の部分は1,050万円になります。

マンションの部屋で、令和6年1月1日以後の相続などは、「区分所有補正率」を使うことがあります。実際の値段と評価額の差が大きい部屋の評価を、実際の値段に近づけるしくみです。次のような場合は対象外です。

  • 住まい以外に使われている部屋
  • 2階建て以下の建物
  • 部屋数が3つ以下で、すべてを持ち主や親族が使っている建物

補正率は、建物の築年数や階数などから計算します。国税庁のホームページには、計算に使える明細書が載っています。

人に貸している不動産の評価額はどうなる?

人に貸しているアパートなどの土地は、自分で使う土地より評価額が低くなります。借りている人の権利の分を差し引くためです。この土地を「貸家建付地」といいます。

貸家建付地の評価額は、次の式で出します(国税庁、令和8年4月1日現在の法令)。

  • 自用地としての評価額-自用地としての評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合

自用地は、自分で使っている土地のことです。借地権割合と借家権割合は、路線価図などに載っています。賃貸割合は、建物のうち実際に貸している部分の割合です。

貸している不動産の評価は、見直しの案が出ています。国税庁は2026年9月18日に、財産評価基本通達を改正する案を公表しました。意見の募集は10月18日に終わり、2026年10月時点ではまだ決まっていません。主な内容は次のとおりです。

  • 対象:2027年1月1日以後の相続や贈与(予定)
  • 亡くなる前5年以内に買ったり建てたりした貸付用の不動産は、通常の取引価格で評価する(案)
  • 不動産を小口に分けて売る商品も、通常の取引価格で評価する(案)

内容は、決まるまでに変わることがあります。最新の情報は、国税庁やe-Govのページで確かめましょう。

小規模宅地等の特例とは?

小規模宅地等の特例は、亡くなった人の自宅や事業の土地の評価額を、一定の面積まで減らせるしくみです。要件を満たせば、評価額が最大で80%減ります(国税庁、令和8年4月1日現在の法令)。

土地の種類 減らせる面積の上限 減る割合
自宅の土地(特定居住用宅地等) 330㎡ 80%
事業の土地(特定事業用宅地等など) 400㎡ 80%
人に貸している土地(貸付事業用宅地等) 200㎡ 50%

自宅の土地で使うには、誰が相続するかなどの要件があります。

  • 配偶者が相続する場合:要件なしで使える
  • 同居していた親族が相続する場合:申告期限まで住み続け、土地を持ち続ける
  • 同居していない親族の場合:持ち家がないなど、細かい要件がある

この特例を使うには、相続税の申告が必要です。特例で税額がゼロになっても、申告をしないと使えません。申告書に計算の明細書や遺産分割協議書の写しなどをつけます。原則として、申告期限までに遺産の分け方が決まっている必要があります。期限までに分け方が決まらないときは、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておけば、あとで特例を使えることがあります。

相続税はどう計算する?

相続税は、遺産の合計から基礎控除を引き、法定相続分で分けた金額に税率をかけて計算します。国税庁の計算の流れは次のとおりです(令和8年4月1日現在の法令)。

  1. 相続した人ごとに、財産の評価額を合計する(特例で減らした後の額)
  2. 全員の合計から、基礎控除を引く(課税遺産総額)
  3. 課税遺産総額を、法定相続分で分けたと仮定する
  4. 3の金額に、それぞれ速算表の税率をかけて合計する(相続税の総額)
  5. 相続税の総額を、実際にもらった割合で分ける

相続税の速算表は次のとおりです。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% ―
1,000万円超から3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超から5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超から1億円以下 30% 700万円
1億円超から2億円以下 40% 1,700万円
2億円超から3億円以下 45% 2,700万円
3億円超から6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

仮の数字で、計算の流れを見てみます。相続人は子2人とし、自宅の土地は同居していた子が相続して特例を使えると仮定します。

  • 自宅の土地:6,000万円(特例で80%減らすと1,200万円)
  • 自宅の建物:800万円
  • 預貯金:3,000万円
  • 基礎控除:3,000万円+600万円×2人=4,200万円

特例を使わない場合、遺産の合計は9,800万円です。課税遺産総額は5,600万円で、子1人あたり2,800万円になります。2,800万円×15%−50万円=370万円なので、相続税の総額は740万円です。

特例を使う場合、遺産の合計は5,000万円です。課税遺産総額は800万円で、子1人あたり400万円になります。400万円×10%=40万円なので、相続税の総額は80万円です。

実際の税額は、ここからさらに各種の税額控除などを反映して決まります。配偶者や子、父母以外が相続すると、税額が2割増える「2割加算」もあります。

相続税の申告と納税の期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です(国税庁)。期限に遅れると、加算税や延滞税がかかることがあります。

不動産の評価や特例の要件は、土地の形や家族の状況で変わります。具体的な評価額や税額は、税理士や税務署で確かめると安心です。国税庁の「税についての相談窓口」でも相談できます。

税金とは別に、不動産の名義変更(相続登記)も必要です。2024年4月から相続登記の申請は義務になっています(法務省)。名義変更の登記は司法書士に相談でき、手続きの窓口は法務局です。

まとめ:不動産を相続したときの税金で押さえたい3つのこと

  • 不動産の相続では、主に相続税と登録免許税がかかり、不動産取得税はかからない
  • 土地は路線価か倍率、建物は固定資産税評価額で評価額を出す
  • 小規模宅地等の特例で評価額が下がることがあり、使うには申告が必要

出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の勧誘や推奨を目的としたものではありません。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。