営業外収益に消費税はかかる?受取利息・配当金・雑収入の区分と注意点
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この記事でわかること
- 営業外収益の消費税は、科目名ではなく取引の中身で区分する
- 受取利息や有価証券の譲渡は非課税、受取配当金や保険金は不課税
- 非課税の収入は課税売上割合の分母に入り、控除できる税額に影響する
営業外収益に消費税がかかるかどうかは、科目名ではなく取引の中身で決まります。受取利息は非課税、受取配当金は不課税のように、同じ営業外収益でも扱いが分かれます。この記事では、国税庁のタックスアンサーをもとに、主な科目の区分と、課税売上割合への影響を説明します。
営業外収益に消費税はかかる?
かかるものと、かからないものがあります。営業外収益は損益計算書の区分で、消費税の区分とは別の考え方です。そのため、科目ごとではなく、一つひとつの取引の中身で判断します。
国税庁によると、消費税の対象になるのは、次の条件をすべて満たす取引です。
- 国内で行う取引であること
- 事業者が事業として行う取引であること
- 対価を得て行う取引であること
- 資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供であること
法人は事業を行うために設立されたため、その活動はすべて事業として行う取引になります。会社が対価を得て物を売る取引は、本業以外でも対象になりえます。
営業外収益そのものの意味や例は、営業外収益とは?で紹介しています。
非課税と不課税は何が違う?
どちらも消費税はかかりませんが、理由と課税売上割合での扱いが違います。不課税は、そもそも消費税の対象に当たらない取引です。非課税は、対象には当たるものの、政策上の理由などで課税しない取引です。
同じ「消費税がかからない収入」でも、非課税と不課税は分けて記録します。
| 区分 | 意味 | 営業外収益の例 |
|---|---|---|
| 不課税 | 消費税の対象に当たらない | 受取配当金、保険金、補助金 |
| 非課税 | 対象だが課税しない | 預貯金や貸付金の利子、有価証券の譲渡 |
出典:国税庁 タックスアンサー No.6157、No.6201、No.6209(令和8年4月1日現在法令等)
国税庁は、この2つの違いは課税売上割合の計算で表れると説明しています。詳しくは、後の見出しで扱います。
主な営業外収益はどう区分される?
代表的な科目は、次のように区分されます。
- 受取利息:預貯金や貸付金の利子は非課税です。
- 受取配当金:株主の地位に基づく支払いのため、不課税です。
- 有価証券売却益:株式などの有価証券の譲渡は非課税です。
- 仕入割引:売上ではなく、仕入れに係る対価の返還等として扱います。
仕入割引は、仕入代金を支払期日より前に払ったことで受ける割引です。国税庁は、返品や値引きと同じく、仕入れの税額を調整する取引に挙げています。受け取った期の仕入れの消費税額から、その分を差し引いて計算します。
雑収入は、中身によって区分が変わります。例えば、保険金や補助金は不課税です。損害賠償金も原則は不課税です。ただし、実質が資産の譲渡や貸付けの対価に当たる場合(損害を受けた製品を加害者に引き渡す場合など)は課税の対象です。
受取家賃も中身で分かれます。非課税になる貸付けは、住宅として使うことが明らかなものなどに限られます。土地の貸付けも非課税ですが、駐車場のような施設の利用に伴う場合は非課税に当たりません。
課税売上割合にはどう影響する?
非課税の収入は、課税売上割合の分母に入ります。不課税の収入は、分母にも分子にも入りません。そのため、受取利息は割合を少し下げ、受取配当金は割合に影響しません。
課税売上割合は、次の式で計算します。
- 分母:課税売上高、輸出などの免税売上高、非課税売上高の合計
- 分子:課税売上高と、輸出などの免税売上高の合計
有価証券の譲渡には、特別なルールがあります。分母に入れるのは、売却益ではなく、売った代金の5%に当たる金額です(一部の有価証券を除く)。売却益が小さくても、売った代金が大きいと割合が下がることがあります。
非課税の収入が増えると、課税売上割合の天びんが動きます。
仮の数字で見てみましょう。課税売上高が9,000万円の会社が、株式を2億円で売った例です。ほかに非課税売上や免税売上はない前提とします。分母に入るのは、2億円の5%に当たる1,000万円です。分母は合わせて1億円になり、割合は90%に下がります。
課税売上割合は、仕入れの消費税をどこまで差し引けるかに関わります。課税売上高が5億円以下で、割合が95%以上なら、仕入れの消費税は全額を差し引けます。どちらかに当たらない場合は、個別対応方式か一括比例配分方式で計算します。
なお、簡易課税制度を選んでいる場合は、計算方法が異なります。
経理で気をつける点は?
科目名と、消費税の区分を分けて記録することが基本です。会計ソフトでは、科目ごとに税区分の初期設定があることもあります。中身の違う取引が混ざる科目は、取引ごとに区分を確かめましょう。
特に確かめたいのは、次の4つです。
- 雑収入の中身:保険金、補助金、物の売却代金などを分けて記録する
- 有価証券の売却:売却益だけでなく、売った代金の総額を記録する
- 仕入割引:売上ではなく、仕入れの税額の調整として扱う
- 受取家賃:住宅か、事務所や駐車場かを契約で確かめる
余剰資金を運用すると、利息や配当金、有価証券の売却が増えます。運用の考え方は、法人の余剰資金の運用とは?で紹介しています。
区分に迷う取引や、課税売上割合が95%に近い年は、顧問の税理士に確かめると安心です。
まとめ:営業外収益の消費税で押さえたい3つのこと
- 営業外収益の消費税は、科目名ではなく取引の中身で区分する
- 受取利息や有価証券の譲渡は非課税、受取配当金や保険金は不課税
- 非課税の収入は課税売上割合の分母に入り、有価証券は原則、代金の5%を入れる(一部の有価証券を除く)
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.6105「課税の対象」(令和8年4月1日現在法令等) (2026年10月時点)
- 国税庁 タックスアンサー No.6157「課税対象とならないもの(不課税)の取引」 (2026年10月時点)
- 国税庁 タックスアンサー No.6201「非課税となる取引」 (2026年10月時点)
- 国税庁 タックスアンサー No.6209「非課税と不課税の違い」(令和8年4月1日現在法令等) (2026年10月時点)
- 国税庁 タックスアンサー No.6363「値引き、返品、割戻しなどが行われた場合の税額の調整(仕入れに係る対価の返還等)」(令和8年4月1日現在法令等) (2026年10月時点)
- 国税庁 タックスアンサー No.6401「仕入控除税額の計算方法」(令和8年4月1日現在法令等) (2026年10月時点)
- 国税庁 タックスアンサー No.6405「課税売上割合の計算方法」 (2026年10月時点)
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